初めてのイト
「木をくるくるすると糸が出てくる!」
初めて糸つむぎを見た時の感想です。
糸がどんどん出来ていく様子に驚き、道具の単純な形と手から次々に生まれる糸を交互に眺めたのが、
kibiruで糸と出会った日の思い出です。
「木をくるくるする」
道具の名前も知らない私は、それをなんと呼べば良いかもわからず糸の生まれる不思議な光景を眺めていました。
大人になると知らないことを恥ずかしいと感じる場面が多々あり、手芸に対しても苦手意識が‥
この施設に中々足を運べませんでした。
裁縫でない体験なら出来るかもしれない参加してみよう。と糸紡ぎのワークショップに参加。
「この道具はなんですか?」
「どうやって糸ができるんですか?」
と知らない事や初めて見る光景に興味と問いが生まれ、矢継ぎ早に質問していました。
「これはスピンドルと言います。こうすると(回す)糸が出来ていくんですよ。回すと羊毛がどんどん糸になりたがるの!」
目の前で手の中から糸がするする出来たらスピンドルに巻き付けてを繰り返し、本当に糸が出来ていくのです。
スピンドルとは回転する軸の事で、糸紡ぎでは、回転力を利用して繊維をねじって撚り合わせて糸にしていきます。
一緒に体験した子供から「長いコマのよう」と例えられたスピンドル。回転させるとなぜか糸が紡がれていきます。
理屈は一旦置いて、この「なぜか糸が紡がれていく」感覚を一度体験してもらいたい。
シンプルな道具、難しくはない手順で羊毛の毛束が紡がれていきます。
知ってる人や体験したことある人にしてみればそれは当然で当たり前の事かもしれません。
ただ初めて触れる人には新鮮で不思議な体験だと思います。
秘密話(実際、私はその日から糸にとても興味を持ち今では、スタッフとして糸を思う存分楽しめる場所に身を置いております。)
kibiruでは、月に1回「糸を紡ぐ日」と言うワークショップを開いています。
その後も継続してやってみたい方の為に道具や羊毛、綿の販売もしています。
「面白い」の瞬間に立ち合える事や「出来た」と嬉しそうに糸を見せてくださる姿に一緒に感動しております。
今年は綿の種まきからの成長記録も写真に残しているので成長についてもブログで綴って行こうと思います。
不揃いで未完成な「イト」が「糸」になるまで「イトノコト」をお伝えしていきます。